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【読書】村田沙耶香「コンビニ人間」の感想。おかしいのは彼女ではない。

 

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こんばんは、ちょぶ(@chobu0415)です。

 

Amazonにてゴールデンウィーク・文春祭り Amazonポイント50%還元のセールが行われており、芥川賞受賞作品である村田沙耶香さんの「コンビニ人間」Kindle版を買ってみました。(追記:2017/5/21現在はセール終了となっています)

少々ネタバレもありますが、以下に感想をまとめたいと思います。

 

 

村田沙耶香「コンビニ人間」の感想

 

あらすじ

 

ヒロイン古倉恵子は三十半ばだが、正規の就職をせずに大学時代に始めたコンビニのアルバイトを続けており、恋愛経験も皆無であった。子供の頃から普通ではないと思われていた古倉は、周囲の人たちの真似をしたり妹の助言に従ったりすることによって常人を何とか演じ続けてきたが、加齢によりそのような生き方も限界に達しつつあった。そんなとき、就労動機を婚活だと言った後に解雇された元バイト仲間の白羽という男と再会し、彼と奇妙な同居生活を始める。

コンビニ人間 - Wikipedia

 

コンビニ人間とタイトルを見た時は、「どこにでもいるような無個性な主人公の話なのかな?」と考えたものですが、読み進めていくうちにむしろ真逆な内容に今となってはタイトルにやられたなという感想です。

 

話のあらすじを簡単にご紹介します。

「合理的」な考えを追求し他人とは違う価値観を持っていた、普通とは違っている主人公古倉恵子。幼少の頃に死んだ小鳥を見て皆が泣いているのを理解できずに、「焼いて食べよう」、「家族で食べるには1匹では足りないからもっと必要?」といった思考回路の持ち主。つまりはサイコパス。

 

そんな中、新しいアルバイトとして入ってきた白羽(35歳)を紆余曲折有り、飼うこととなる。彼を飼う。それは素敵な同棲ではなく、ペットとして飼い、餌を与えるという奇妙な生活である。

 

といった話の展開です。

 

本作品の中で面白いと思った部分をいくつか紹介します。

 

観察眼に長け、それを模倣し人間社会に溶け込んでいる主人公。

主人公は30代半ばの女性らしさを手に入れるために身近な同年代女性の服飾を観察し、 同じブランドのものを買ってみたり、口癖や細かい仕草を模倣し、社会に溶け込んでいます。

しかしながらそれは一時的なもので、一緒に働くコンビニ店員が変われば、また違った口癖や仕草を模倣し、そうやって「コンビニ人間」であることを維持しようとします。

主人公が社会に適合するための努力というのでしょうか、そのシュールさは一読の価値ありです。

 

白羽のクソさ加減がうまく表現されている。

ウシジマくんに出てきそうな、クソさの役満のような男。

「ネット起業する」が口癖のフリーターで男女差別に社会批判、コンビニ店員を見下し、社蓄と揶揄するが、一人ではまともに生活することのできない社会不適合者。

 

現代は機能不全世界なんですよ。生き方の多様性だなんだと綺麗ごとをほざいているわりに、結局縄文時代から何も変わってない。少子化が進んで、どんどん縄文に回帰している、生きづらい、どころではない。ムラにとっての役立たずは、生きていることを糾弾されるような世界になってきている。

 

読んでいると不快に感じる部分もありますので注意です。しかしながら、現代は縄文時代であるといった持論を展開し、被害者意識の塊のような彼の叫びは全く持って否定できるものでもないと感じました。

 

周囲の目なんて関係ない。自分の生きる世界を見つける素晴らしさ。

主人公は他の選択肢を捨てて自らの生きる世界を選択しました。周りから何と言われようが、自分を貫きその道を走ると決断した最後は爽快感があります。それが一般的にはおかしいと見えても、それは関係ありません。そういった一般化された価値観を押し付ける周囲の環境こそが「おかしいのではないか」と考えさせられます。

 

最後に

登場人物のリアルな人間描写は、作者の実体験から書かれているからでしょうか。とても秀逸であると感じました。

本作品は約1時間~2時間で読了できるボリュームとなっています。

是非ともゴールデンウィーク期間中に読んでみてはいかが。

(コンビニのバイトって、大変ですね。。。)

 

 

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